公益社団法人 塩釜青年会議所

第48代 理事長

髙嶋 啓佑

Let's be great together

ひとの輪がつくる新しい社会を目指して

 ⻘年会議所は「明るい豊かな社会」の実現を理想とした20歳から40歳までの⻘年の団 体です。⻘年会議所の設立趣意書には「新日本の再建は我々⻘年の仕事である。」という志 をたて、JC運動が始まりました。現在、新型コロナウイルスにより閉鎖的な世の中になっ たからこそ、私たち⻘年会議所が地域経済を支え、新しい社会をリードする組織でなければ なりません。

 塩釜⻘年会議所は昭和50年に設立され、昭和52年に「地域住⺠のニーズを探り、地域 に反映させ、地域住⺠の意識をたかめ、明るい豊かな塩釜市を築くための調査」を目的に一 般市⺠690名の市⺠総合アンケート調査「明日の塩釜市のために」から運動が始まり、時 代の流れとともに社会問題が変化する中、社会開発からまちづくり、指導力開発からひとづ くり、⻘少年育成など形を変え、明るい豊かな社会の実現を目指し、運動を展開しています。

はじめに

 私の小学生時代はどこにでもいるサッカー少年でした。純粋にサッカーボールを追いかけ、友だちと夜遅くまで泥だらけになりながら遊んでいました。しかし、試合には出場でき ず、サッカーをやめようと思っていた頃に、当時、塩釜⻘年会議所が開催していた補欠のな いサッカー大会「JCカップ」に参加しました。そこで試合に出場できる楽しさや嬉しさが 一気に溢れ、私の心にサッカーを続ける意志を宿しました。

 夏になると聞こえてくる「よしこの鹽竈」、小中学生の時に塩竈みなと祭陸上パレードに 参加し、どこか恥ずかしながら踊ったことを記憶しています。2014年に塩釜⻘年会議所 へ入会させていただき、初めて陸上パレードが事業として展開されていることを知った私 は衝撃を受けました。一つの目的に対し、仲間とともに事業を成功に導く、そんな先輩方の 姿に感動し、いつか私も先輩方のように「ひとの心を動かせるようになりたい」と必死でJ C活動を続けてきました。活動を共にする仲間や市⺠との出会いが自分自身を成⻑させ、入 会10年目の節目に理事⻑の職を預からせていただきます。

 私は、塩釜⻘年会議所の運動によって、「何かを続けることの大切さ」や「ひととのご縁 が自分自身を磨く」ことを教わりました。

会員拡大運動

 現在では全国的な会員の減少が問題視されていますが、会員拡大運動は⻘年会議所の基本運動の一つです。2014年は約35,000人いた会員が2022年では約32,40 0人と減少傾向にありますが、⻘年会議所が衰退しているのかと問われるとそれは否です。 20歳から39歳の人口統計から若者1万人あたりの⻘年会議所会員は10人から11人 に1人になります。つまり、⻘年会議所が衰退しているのではなく、地域の若者の人口が減 少しているということです。ではなぜ会員拡大が成功しているLOMと苦戦しているLO Mがでてくるのでしょうか。それは、会員全体の会員拡大運動に対する理解度と行動量の違 いです。私たちはよく見かけるニュースの人口減少などの社会問題や産業の担い手不足な どに目をとられ、目の前にいる志高き⻘年を見逃しているのではないでしょうか。2015 年に創立40周年を迎えた塩釜⻘年会議所(以下JCI塩釜)は2017年の56名の最大 会員数から比べ、本年は大幅に減少した会員数でスタートします。私たちは地域に対し、何 か後ろめたい活動をしているわけではなく、今以上に素晴らしい地域を子どもたちに届け るために意欲的に社会貢献活動をしています。会員拡大活動は会員候補者が初めてJC運 動に触れる機会になります。私たちが自信をもって会員候補者のリーダーとなり、進むべき 方向性を示し、導いていかなければなりません。ただ「入会」を目的にするのではなく、自 分自身がJCI塩釜に入会し、今日まで経験したもの、体験したもの、習得したものを誠実 に自分の言葉で伝えれば必ず会員候補者の心を動かし、仲間が増えていきます。仲間が増え れば、会員の質が向上し、組織の活性化に繋がります。この好循環を創り出し、JCI塩釜 の運動を二市三町へ展開して参ります。

組織づくり

 2014年のJCI塩釜の会員は47名いましたが全員が昭和生まれでした。2022年度期首の会員46名中、昭和生まれが35名、平成生まれが11名と年代の割合が変わっ ています。この年代の変化で着目すべきことは、義務教育の方針が違うことです。1987 年4月2日以降生まれの会員は週休2日制が導入され、教育方針は「多種多様な経験をして 人間性を豊かにするゆとりを大切にする。」のもと、勉学に励んでいます。どちらが良い、 悪いは決してありません。このような会員構成だから入会歴の⻑い会員が一つひとつの言 葉の選び方や伝え方を学び、よりよい組織づくりを構築していく必要があります。

 また、会員の種別も変わってきています。昔は会社の社⻑や代表、役員の会員が主となっ ていましたが、現在では自営業や会社員などの会員も増えています。これはJCI日本が推 進する誰もが活躍できる組織づくりによるもので、LOM単位まで浸透してきています。会 員構成が変化しているから「昔はこうだった」などの言葉で新入会員に教えていくことは価値観の押し付けになり、会員の質は下がっていく一方です。この課題を解決するためにまず は自分自身から襟を正し、意識を変え、会員がJC活動で活躍できる環境を提供していかな ければなりません。

 組織にとって役職に応じた縦社会は大切だと感じますが、今の縦社会に「+α」が必要で す。これを何も変えずに続けていくことはJCI塩釜の魅力が徐々に薄れていき、会員が増 えず、活動自体が困難になる可能性があります。

 組織は集団と似て非なるものです。組織は共通の目的をもつこと(組織目的)、協働の意思 があること(貢献意欲)、対話ができること(情報共有)が必要です。コロナ禍の3年間はコミ ュニケーションの手法が対面からWEBに変化し、一つの目的をリアルな空気感で伝えら れない状況が続いていましたが、現在では社会的に規制が緩和し、対面でコミュニケーショ ンがとれるようになりました。私たちは会員一人ひとりとのコミュニケーションを大切に し、誰もが向上意欲に溢れた組織をつくることが、今後の創立50周年に繋がり、永続的に 運動を展開するLOMへと変化して参ります。

まちづくり

 JCI塩釜では塩竈みなと祭陸上パレードを継続事業として展開しています。継続は力なりという言葉の通り、事業の立ち上げから続けることの大切さを会員は学んでいます。し かし、継続事業だから「例年通り」や「毎年この形だから」という考えは今後10年20年 と続けることができるのでしょうか。2014年に日本創生会議によって2040年に全 国896の自治体が消滅可能性都市に指定され、宮城県では23の自治体が対象となって います。その中に私たちの活動エリアである塩竈市、七ヶ浜町、松島町の一市二町が指定さ れています。地域が消滅可能性都市として問題定義されている状況で今一度「この事業は誰 のために」「なんのために事業を行うか」を議論する必要があります。ひとは地域をつくり、 地域はひとを育てます。私たち含め、市⺠がまちに対するシビックプライドがあるから輝か しい未来を創っていけるものと考えます。

 また、現代においては国連が持続可能でより良い世界を目指す国際指標としてSDGs が制定され2030年までに達成すべき具体的な目標に「5.ジェンダー平等」や「13. 気候変動に具体的な対策を」などがあります。LGBTQ+をはじめ、人間の個性や人格を 尊重する社会や環境面では地球温暖化が要因となる豪雨災害など、これらの解決すべき課 題は、全て私たちの「まちづくり」に繋がっています。今の子供たちが大人になったときに 「どんなまちを残してあげられるのか」を観点に⻘年会議所世代が考え、議論し、運動を展 開していく必要があります。

⻘少年育成

 JCI塩釜は2020年創立45周年事業として「思いやりの心を育み、自己肯定感の向上」を目的とした⻘少年育成事業を始めました。当時、事業の構築する際に、考えさせられるニュースがありました。それは、職場内のいじめです。このニュースを見たときに、いじ めの構図は大人も子どもも変わらないと感じました。いじめには主犯格がいて、実行する者、 そして、何も言えずに傍観している周りの者たちの三者がいて、成り立ってしまうものだと 感じました。この三者は、やられている側の気持ちになったことがあるのでしょうか。せめ て、ひとを思いやる心や勇気があれば、大きな事故にはなっていないと思います。私はこの 世の中からいじめの件数が1件でも減少してほしいと願うひとりです。文部科学省のデー タを調査すると、いじめの認知件数が小・中・高・特別支援学校では令和元年度の612, 496件に対し、令和2年度の517,163件と減少傾向にあります。しかし、子どもた ちの自殺の件数が317件に対し、415件と増加し、不登校の生徒数も増加傾向にありま す。この要因にスマートフォンの機能の向上や多様なSNSの活用により、誰もがどこでも 情報を受け取れる時代になり、目の前にある情報の正否を判断する能力が低下しているの ではないかと考えます。地域のたからである子どもたちに対し、私たち大人が事業を通して、 ひとを思いやる心の大切さやメディアリテラシーを醸成していかなければ希望に満ち溢れ た社会は実現できないと思います。

 また、日本⻘年会議所は2019年に「日本一SDGsを推進する団体」として、運動を 展開し、SDGsの認知度が向上しました。教育現場や子ども番組に目をむけると、SDG sがテストに出題され、親しみやすいように歌まであります。現在はSDGsの認知件数が 向上していますが、実行されている件数はまだ少ない状況です。子どもたちが18歳の成人 になったときに「SDGsが当たり前」の社会になるのではないでしょうか。私たちは⻘年 経済人として、地域に根を張り、仕事をしています。このような組織だからこそ、各々が抱 える課題に対し、真剣に取り組んでいかなければなりません。SDGsは漠然と大きな問題 であり、行動をしても達成感や効果が感じられずに挫折してしまいますが、「何かを続ける」 ということが必ず大きな実となって自分自身に返ってきます。

 私が小学生時代に塩釜⻘年会議所から教えていただいたように、次は私たちが「何かを続 けることの大切さ」を子どもたちに伝えていくことが、人生に大きな影響を与えると確信し ています。

パートナーとの連携

 2015年から塩竈みなと祭前夜祭花火大会を市⺠の協力のもと、継続事業を展開しています。当時は塩竈市水産⻘年連合会とともに活動をしていましたが、2022年より塩竈 みなと祭協賛会より委託を受けている花火大会実行委員会はJCI塩釜の会員だけの構成 となりました。戦後の復興を願い始まった塩竈みなと祭の前夜祭がJCI塩釜の会員だけ の構成で今後も事業を継続できるのでしょうか。私はいつか事業が継続できなくなり、消滅 してしまう可能性があると思います。そこで私たちは、「塩竈みなと祭は前夜祭からの協賛 行事であり、当日20時の花火打ち上げの音とともに鹽竈神社では渡御祭が行われ、大神輿 二基にそれぞれ大神様の御神体を移らせる神事であり、音とともにお出迎えをする一貫行事」であることを市⺠に伝えていく必要があります。梅雨時期の花火大会で悪天候が続いて いますが、塩竈の花火大会の在り方を伝えていくことが市⺠の共感を呼び、塩竈みなと祭を 応援していただくファンが増え、持続可能な塩竈市の事業になっていくと考えます。

 また、その他の事業も同様です。参加者に「いいイベントだった」や「来年もやってほし い」と感想をいただく事業ではなく、良い事業とは「この事業をうちの団体でもやってみた い」「この事業に携わりたい」と行動する気持ちになる事業を構築していかなければなりま せん。その事業には必ずJCI塩釜だけではなく、パートナーシップを結ぶ、行政や市⺠、 関係団体がいます。参加者ではなく、参画者という市⺠意識の変化がよりよいまちづくりへ の一歩となります。

共感が伝播する広報活動

 現在では、公益目的事業として二市三町の市⺠にアプローチできるように、塩竈みなと祭陸上パレードや前夜祭花火大会、⻘少年育成事業を展開していますが、活動エリアの利府町、 松島町、七ヶ浜町ではJCI塩釜の活動エリアになっていることを認識されていない現状 があります。

 JCI塩釜の運動は賛助会員や市⺠の支えがあって成り立つものです。賛助会員はスポ ンサーシップ制度のもと、協賛を募り、応援していただく存在です。しかし、賛助会員との 交流の機会は少なく、あまりメリットを感じられていない会員もいます。そこで、交流の機 会を創出し、今後も末永く、JCI塩釜を応援していただく環境づくりと新たな賛助会員の 獲得をしていかなければなりません。

 総務・広報委員会は2014年の総務・情報委員会から名前を変え、2015年に「時代 はSNSを活用した広報」という思いから始まりました。現在ではホームページや多様なS NSを活用し、JCI塩釜の活動を市⺠へ発信しています。今後は単にJC活動や事業報告 を広報するだけではなく、JCI塩釜のブランドを確立し、広報のマーケットを定め、的確 に運動を伝えていくことで、賛助会員や市⺠に信頼や共感が生まれ、それが様々な情報の根 源となり、⻘年会議所の「地域の課題を見つけ、地域の課題を解決し、持続可能な地域を創 る」ことに繋がり、大きな運動へと変化していきます。

 ⻘年会議所の運動は会議から始まります。感謝の心をもち、運動を展開して参ります。

⻘年会議所のスケールメリット

 スケールメリットとは「同種のものが多く集まることで単体よりも大きな結果を生み出せる」という意味です。⻘年会議所は全国684のLOMがあり、「志同じうする者」がそ れぞれの地域で「明るい豊かな社会」の実現を目的に運動を展開しています。この組織は、 全国10地区、47ブロックの協議会を通じて繋がり、多くの出向者で運営されています。 私たちにも出向の機会は平等にあり、それぞれのステージで運動を実践することができま す。私はJCI日本、東北地区協議会、宮城ブロック協議会と出向させていただき、多くの学びとかけがえのない仲間と出会いを得て、物事を多角的に捉える価値観やJC活動に対 する意識の変化がありました。一つの目的に対し、成功に向かって活動する経験が私にとっ てかけがえのない「たから」となりました。

 また、出向ができない会員にも各種大会に参加ができる権利があります。京都会議から始 まり、ブロック大会、東北⻘年フォーラム、全国大会など、将来を見据え運動を発信するセ ミナーや事業がたくさんあります。会員には目的をもって学ぶ姿勢で参加していただき、自 分の時間を使って学ぶということは大きな効果があり、会社や家族にとって大きな成果と なります。
さらに、JCI泉との合同例会や交流会を継続していますが、その他に友好JCのJCI 朝霞(埼玉ブロック協議会)やJCI村山(山形ブロック協議会)と様々な交流ができる環境 にあります。これは私たち現役が構築したものではなく、JCI塩釜の先輩方が各方面で活 躍され、一つのご縁で始まった友好関係やお互いのLOMが切磋琢磨をして、成⻑していこ うという想いがつまっています。

 ⻑年の付き合いだからただ「やる」のではなく、新たな目的で交流することは各LOMに とって大きな刺激となり、自分自身に「新たな何かの変化」が起きることでより一層、⻘年 会議所の魅力に気づく機会を会員に提供して参ります。

最後に

 私たちには素晴らしい未来が待っています。私たち⻘年世代は、「今」何をすべきか考え行動しよう。

「君には無理だ」と言う人の話を聞いてはいけない。

もし自分で何かを成し遂げたかったら、

出来なかった時に、他人のせいにしないで自分のせいにしなさい。

周りは君に成功してほしくないんだ。

なぜなら周りは途中で諦めてしまったから。

だから、君にもその夢を諦めてほしいんだ。

不幸な人は他人の不幸な人を友達にしたいんだ。

 

決して諦めてはダメだ。

自分の周りをエネルギーで溢れ、しっかりとした考えをもっている人で固めなさい。

自分の周りを野心で溢れ、プラス思考の人で固めなさい。

憧れる(魅力ある)人がいたらアドバイスをもらいなさい。

君の人生を考えることができるのは君だけなんだ。

君の夢が何であれ、その夢にただひたすら向かっていくんだ。

なぜなら君は幸せになるために生まれてきたのだから。

元プロバスケットボール選手 マジックジョンソン

2023年度 理事長所信” に対して1件のコメントがあります。

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